Music for Orphans

音盤収集記。

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2019-12-19から1日間の記事一覧

Thomas Méreur / Dyrhólaey

現世から離れた旋律とエセリアル性。Grouperに通じるものを感じる。 Dyrhólaey Thomas Méreur シンガーソングライター ¥1528 music.apple.com

Levi Patel / Affinity

透徹したトーンと暖かな楽曲を併せ持ったネオクラシカル的なポストロック。ストリングスとベル、シンセサイザーと讃美歌の様なコーラスの採用と抒情的なギターの旋律が美しい。非ロック的な楽器というか、ストリングスが採用されたポストロックと言うとGY!BE…

Christoph Heemann & Andreas Martin – Lebenserinnerungen Eines Lepidopterologen

何度聴いたか分からない、クリシュトフ・ヒーマンとアンドレアス・マーティンが創り上げたシュールレアリスティックで幻想的な名盤。Die Sagenhaften Huhnerでのアンドレアス・マーティンの美しいガットギターとヒーマンの透徹、幽玄かつシュールレアリステ…

高橋睦郎 / 待たな終末

「いつかヒト滅び世界も滅ぶればわが言葉いまを輝き滅べ」 「幼な子に世界は言葉 言葉なる世界のめぐり動くもろもろ」 「言葉なる世界と世界なる言葉その鬩ぎにし訪ひこしか詩は」 「沈黙より言葉生まるる草や木の木の影より光現るるさながら」 「七十億滅び…

アンドレイ・タルコフスキー / ノスタルジア

緑と青、モノトーンが印象的な映像美と宗教的で暗鬱なストーリー。ノスタルジーを象徴する静止画と壮麗な廃墟が美しい。膝まで浸す水が印象的な少女に弁を振るうシーンの破れかぶれな感情。昔の知人の意見だが、自殺のシーンでドミニクが流す第九と演説と自…

Mark Fry / Dreaming With Alice

アシッドフォークファンには言わずと知れたMark Fryの1stであり傑作。どこまでも優しい幻想的アシッドフォーク。ジャケットに映っている少女に子守唄の様に繰り返し聴かせるために、Dreaming With Aliceを繰り返し録音したというエピソードがあるらしい。再…

鷲巣繁男 / 鷲巣繁男詩集

「やがて果樹園を吹き抜けた夜が、伽藍の空洞に化石になるのを待つてゐる天使らを包むとき、蜥蜴の夢だけが、この世の連帯の虹色をステンドグラスに燃やすだらう。」(死者たちへの手帖) 「遠くで角笛がする。羊たちが目覚めるころだ。そして、わたしは凡ての…

塚本邦雄 / 塚本邦雄全集一巻

「くりかえし翔べぬ天使に讀みきかす 白葡萄醒酸製法秘傅」 「湖の夜明け、ピアノに水死者のゆびほぐれおちならすレクイエム」 「てのひらの傷いたみつつ裏切りの季節にひらく十字科の花」 「夜のつぎにくるはまた夜、かなしげな魚の眼の中に燈ともせ」 「翅…

浦邊雅祥 / 我は聖代の狂生ぞ

ロートレアモンの影響を感じる優れた日本のインプロヴィゼーション。所謂ゴスでは無く、文学由来の本来的なゴシック性を感じる。間の感覚と透き通ったアルトのトーン、鎖を鳴らす音ですら表現に変える表現力が素晴らしいと思う。十代の頃愛聴していた。1stLP…

ジャン・リュック・ゴダール / 勝手にしやがれ

徹頭徹尾秩序を無視するアナーキーな主人公の存在とピカレスクの王道を行くストーリー展開に救われ、陰鬱な気分が消え去った。気分が塞いだら勝手にしやがれを観る事にしてる。

タル・ベーラ / サタンタンゴ

黙示録性とディストピア性、ハンガリー社会の寓話としての物語。劇中で実際に黙示録が提示される。 ラストの存在しない教会の鐘の音と医師のモノローグが被さるシーンが美しい。教会の鐘の音とダーク・アンビエント、白痴めいたタンゴ以外の劇中音楽は存在し…

フリオ・コルタサル / 対岸

「今や彼女にはすべて、すべてが可能なのだ。世界は彼女のものなのだから、その気にさえなれば。だが、恐怖と臆病が彼女の喉を締め付ける。魔女、魔女。魔女が行きつくのは地獄。」