偏愛漫画50選
某ブログ記事に触発されて僕も好きな漫画を五十冊選んでみました。ナンバリングは順位では無く冊数のカウント用です。
永遠に続く回廊都市と人間のDNAの探求。ポストサイバーパンクの傑作。
異形バトルもの×ポスアポSFの傑作。氏の作品で一番作画が黒々しい印象。
ゾンビアポカリプスから宇宙へ。傑作。
4.弐瓶勉『NOiSE』
BLAME!の前日譚。主人公の死から復活へのカタルシスと悲愴な展開が凄まじい。
ギムナジウムものの傑作という認識。傷についての物語。
吸血鬼ものの漫画で恐らく一番好きな作品。失われる永遠の生。
入り組んだ時間SFであり滅びた文明へのノスタルジーも感じる。好きな作品。
8.萩尾望都『半神』
萩尾望都の中短編だと今作収録の「エッグスタンド」が特に好き。暗殺者を巡る悲劇でラストの一頁はこの作家の描写の中でもベスト級だと思う。
9.大島弓子『ダリアの帯』
脳の器質的疾患から永遠の妖精に変貌する主人公の妻を描いた表題作が凄まじい。
死んだ恋人が天使になって帰ってくる話が好き。「ごめんね。冠を取りにきたよ。」
12.市川春子『虫と歌』
疑似家族の喪失を描いた表題作が市川春子の短編の個人的なベスト。
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13.市川春子『25時のバカンス』
ある種衒学的とも言える台詞回しが秀逸。
自ら滅びに向かう主人公、そしてその道義的な裏付けが行われている所が好き。
15.模造クリスタル『ミッションちゃんの大冒険』
同人漫画の傑作。憂鬱と晴れやかさ、最後のテロリズム。
16.模造クリスタル『スペクトラルウィザード』
追放された者の憂鬱と群像劇。面白くて何度も読んでる。
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17.西岡兄妹『この世の終りへの旅』
カフカ的不条理、土着の神話、殺人、処刑が渦巻く暗黒譚。傑作。
https://www.amazon.co.jp/この世の終りへの旅-西岡兄妹/dp/4883791459
18.西岡兄妹『救済の日』
資本主義に対する強烈な風刺と批判。そこから辿り着く死後の世界。
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カフカの短編のコミカライズ。作画が美しい。
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カタストロフに雪崩れこむ闘争劇。ラストシーンが美しい。
耽美で綿密な作画だけでも大好物。
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特殊な技法で描かれたサドを彷彿とさせる表題作が好き。他の短編も良かった。
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23.なるめ『ILY.』
ドットで描かれる90年代へのオマージュ。Lainなどのサイバーパンクの気配が濃厚で、そのホラー的側面を継承している。
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死への緩急とスピード。有名なシーンが残酷で象徴的。
25.原百合子『繭、纏う』
髪に対する強烈なフェティシズム。作画が耽美。
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26.椎名うみ『青野くんに触りたいから死にたい』
ゴーストストーリーから呪術的でオカルティックな展開に雪崩れこむ最高の作品。現行の漫画だとベスト級に好き。
https://www.amazon.co.jp/青野くんに触りたいから死にたい-1-アフタヌーンKC-椎名-うみ/dp/4063882721
コミカルで可愛い。好きな作品。
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28.入江亜季『北北西に曇と往け』
ミステリー仕立てのストーリーと美しい画風。
29.五十嵐大介『魔女』
30.五十嵐大介『ディザインズ』
思弁的で幾つもの要素を示唆する台詞回しも画風も素晴らしい。近年の傑作。
31.岡崎京子『リバースエッジ』
決して恋愛に至らない、タナトスの気配の濃厚な群像劇。美しい作品。
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セカイ系のクラシックで個人的に思い入れのある作品。淡い絵柄が好き。
ポスアポSF×日常系。小説の『渚にて』を思い出した。
34.丸尾末広『笑う吸血鬼』
丸尾末広の描く吸血鬼。暗澹と耽美。
35.丸尾末広『パノラマ綺譚』
幻想ミステリ×ピカレスク。ラストシーンが素晴らしい。
植民地問題や階級社会を扱うSFサーガ。傑作。
37.西尾雄太『水野と茶山』
愛の幻想の欠落した百合物語。傑作。
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39.伊藤潤二『うずまき』
象徴的なうずまきの恐怖。中学生の頃に読んで衝撃を受けた記憶。
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ホラーとしてのファムファタル像。怖いのに惹かれてしまう。
41.須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』
南米山岳地帯の少女と未来のディストピアから来た男の交錯点。異色作。
42.久井諒子『竜のかわいい七つの子』
珠玉の短編集。美しいアイデアと画風に魅了される。
43.久井諒子『ひきだしにテラリウム』
同上。素晴らし過ぎる。
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44.森薫『シャーリー』
決して都合の良いファンタジーに溺れない画風とストーリー。それでも可愛い。
鬱漫画というサブジャンル(?)を始めて認識した作家。ブラックユーモアと諧謔。
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ある種ポスアポ的な時間SFの王道を行くストーリー。ヒューマニズムで完結させるのは氏の作品らしい。
坂口安吾の中編小説のコミカライズ 。美しい解釈と淡い画風。
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不条理ギャグマンガの傑作。小ネタも面白い。
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ネオ時代劇という看板に偽りない傑作。
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50.三ヶ嶋犬太朗『踊るリスポーン』
何度死んでも甦る少年とヤンデレゴス少女との恋愛譚。絵柄がポップで良い。
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・収まり切らなかった作品。
石黒正数『天国大魔境』
著者の過去作から見ると異色なディストピアSF。面白い。
鶴田謙二『冒険エレキテ島』
幻想の島への浪漫。猫が可愛い。
小西明日翔『来世は他人がいい』
危なめの恋愛譚。ノワール映画などが好きなのでアフタヌーン本誌で欠かさず読んでいる。
新海誠作品の秀逸なコミカライズ。繊細な絵柄が好き。
田邊剛『アウトサイダー』
クトゥルフの漫画化と言うだけで惹かれてしまう。癖の強い画風が素晴らしい。
https://www.amazon.co.jp/アウトサイダー-ビームコミックス-田邊-剛/dp/4757735804
熊倉献『春と盆暗』
脱臼したユーモア。『ブランクスペース』を早く読みたい。
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能力バトルものであり、SFであり、セカイ系でもある傑作。小学生の頃に嵌った記憶がある。
https://www.amazon.co.jp/寄生獣(1)-アフタヌーンコミックス-岩明均-ebook/dp/B009KWUID8
高松美咲『スキップとローファー』
単純な甘さや二者関係に回収されない青春群像劇。最近のアフタヌーンの好きな作品。
https://www.amazon.co.jp/スキップとローファー-1-アフタヌーンKC-高松-美咲/dp/4065142091
地下へ向かう少年と少女。シビアでシリアスなストーリーが好き。
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伊図透『銃座のウルナ』
戦争の現実とその後の人生。著者の傑作だと思う。
写真はサムネイル用の近所の花。